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社員の自己実現と次世代の企業価値を追求し続ける「和魂洋才」の経営。
デンセンホールディングス株式会社
代表取締役社長 若林 順平
長野県生まれ。
1997年 株式会社ANX 取締役 就任。
1998年 株式会社デンセン 取締役 就任。
2012年 株式会社デンセン 代表取締役社長 就任。
同年デンセンホールディングスを設立し、代表取締役社長就任。
2018年 株式会社ANX 代表取締役社長 就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
この記事でわかること
- 5社の専門性を束ね、多分野の課題に応えるデンセングループ
- 「和魂洋才」を軸に、次世代へつなぐ経営基盤を築く
- 社員の自己実現から考える、収入と働き方の環境づくり
- 型にはまらず、自分の考えで主体的に動ける人を求める
- 都市の刺激と自然を行き来できる、長野ならではの働き方
祖父から受け継いだ想いが、経営の道に進む原点となった。
デンセングループは、電設資材・ものづくり支援・ECO関連ソリューション・介護福祉事業をはじめ、システムインテグレーション事業や映像コンテンツ制作事業など、幅広い事業を手がける長野県の企業グループです。株式会社デンセン、株式会社ANX、株式会社ニッセー電機、株式会社イクズアネックス、株式会社アネックスデジタルジャパンの5社で構成されています。
あらゆるジャンルで活躍するグループ会社のネットワークを活かし、お客さまのさまざまなご要望にお応えしています。デンセンホールディングスは、グループ会社を統括する持株会社として2012年に誕生しました。
グループ最初の会社であるデンセンは、1945年に電気製品やモートル電線の販売から事業をスタートしました。私は創業者である祖父の背中を見て育ち、「お前がこの会社の後を継ぐんだ」とたびたび言い聞かされてきました。そのため、経営者の仕事は私にとって身近なものでした。
高校卒業後は建設現場のアシスタントとして働きながら、夜は地元のスナックでバーテンダーをしていました。ダブルワークの生活はとても楽しく、このままでも悪くないと思っていた矢先、祖父が他界しました。そのとき「おじいちゃんはいつも経営者になってほしいと話していたな」と思い出したのです。
そこから奮起し、もっと広い世界を見て多くを学ぶため、アメリカ留学を決意しました。留学先では経営学や心理学を専攻し、海外ならではの合理的な考え方やマネジメント手法から多くの学びを得ました。そして5年後に帰国して家業へ入り、経営に携わることになりました。
アメリカで学んだ経営哲学は、今もグループの中に生きている。

家業へ入った私は、父の勧めもあってグループ会社の株式会社ANX(アネックス)に入社しました。社長室室長を経て取締役になりましたが、当時は会社全体の給与があまり高くないことに課題を感じていました。自分自身の収入は二の次で、事業で稼いだ原資をもとに社員の給与をどんどん上げていくことが私の命題になりました。
2012年にデンセンホールディングスを設立してからは、会社を次世代へつなぐための基盤づくりに力を入れてきました。その一つが、グループの組織体制の見直しです。持株会社化を進め、それぞれの会社の役割を明確にしながら相互に連携できる体制へと再編しました。組織を整理することで、それぞれのグループ会社が強みを発揮しやすくなったと感じています。
アメリカで学んだことの中で、私の現在の経営に大きな影響を与えているのは、経営と資本を分離する考え方です。日本はオーナー企業が多く、オーナー社長の意見が会社の方針に色濃く反映されることが多いほか、金融機関の融資を受けるために社長の個人保証が必要となるケースも少なくありません。
一方で、アメリカでは経営は独立したものとして捉えられており、オーナー・社長・資本家はそれぞれ別々に存在します。そんなアメリカ流の「経営と資本の分離」の考え方をベースとしつつ、日本人らしい誠実さや人を大切にする心を組み合わせる「和魂洋才」の経営手法をとってきました。
デンセングループの経営の起点は「社員の自己実現」。
私が経営で最も大切にしているのは、社員一人ひとりの自己実現を叶えることです。それぞれが思い描く理想の人生を実現するには、まず安心して暮らせる環境が必要です。住宅を購入したり、家族を養ったりできるだけの収入も欠かせません。
私は「社員が家を建てたいと思う年代には、それに見合う年収を実現できる会社でありたい」と考えています。その基準をもとに、会社としてどれだけ付加価値を生み出し、社員へ還元できるかを常に意識しています。
また、当グループでは社員一人ひとりが経営に参画する意識を持てるよう、会社のルールをできるだけシンプルにしています。例えばグループ内には、19時30分にパソコンを自動でシャットダウンするというルールを定めた企業もあります。
これは残業を減らすこと自体が目的ではなく、「一部の残業をしたい人たちに合わせて、それ以外の社員が無理をする働き方を防ぎたい」という想いが込められています。さらに、「残業をしたい人も含めて全員が幸せになるには、この問題をどう解決していこう」という意見や気運が社員自身から生まれることも大事だと考えています。
社員の髪色やネイルなども、仕事に支障がなければ細かく制限することはありません。自分らしく働けることも、自己実現の一つだと考えているからです。ルールは社員を縛るためではなく、社員を守るためのものであり、多くの社員が幸せに働ける環境をつくることを常日頃から意識しています。
主体的に行動し、自ら道を切り拓く仲間とともに働きたい。

採用において私たちが求めるのは、型にはまった人材や空気を読み過ぎる人材ではなく、自分なりの考えを持ち、主体的に行動できる人です。そういう方のほうが、当社では力を発揮しやすいと思います。
なぜなら、自己実現とはまさに我が道を行くことであり、好きなこと・やりたいことに全力を注ぐには、型にはまらない柔軟性が必要だからです。
また、当グループは近年、選ばれる企業集団になるためのブランディングにも力を入れています。その象徴的な取り組みの一つとして、月に1回の週休3日制度を取り入れた事業会社があります。趣味や家族との時間を持つなど充実した生活を送れる環境を整えることで、「この会社で働きたい、働き続けたい」という魅力につながればと考えています。
当社では、新たな制度を導入する際に他社の事例をそのまま取り入れるのではなく、徹底して「自分たちはどうあるべきか」という考えを起点に判断してきました。世間や業界の慣例に従うよりも、「私たちがこうしたいから、社員にこうなってほしいから」という点が何よりも重要な判断基準です。
今後も選ばれる会社になるための取り組みを一つひとつ積み重ねながら、社員にとって魅力ある会社を目指します。
自分らしいキャリアと豊かな暮らしを実現できる、長野の暮らし。
長野で働くことは、都市部にはない大きな魅力があると思います。長野市や上田市は東京まで1時間30分ほどとアクセスが非常に良く、一方で車を30分ほど走らせると豊かな自然の中でゴルフやアウトドアを楽しめます。
最近では他県から入社を希望する方も増えていますが、利便性の高さと身近にある自然、生活と仕事のバランスなどを考えると、都市部と自然両方の良いとこ取りができ、豊かな生活を送れるのではないかと思います。
私は仕事で東京に出向く機会が多くありますが、都会から最新の情報や刺激を受け取り、それを長野で活かす働き方ができることも、この地域ならではの価値だと感じています。自ら積極的にインプットし、それを社内や地域でアウトプットできる人にとっては、大きなやりがいとアドバンテージを感じられる環境です。
グループ会社は長野だけでなく東京にも拠点を構えており、働く場所の選択肢があるのも当社の価値だと思います。一つの会社であっても、その中にいくつかの選択肢があれば、キャリアが広がりやすくなります。
また、社員同士の関係性はとても温かく、花見やゴルフコンペなどの社内行事も盛んに行われています。社内コミュニケーションやさまざまな交流を通して、社員の家族にも私たちの事業を応援していただくための場づくりは、今後さらに重要になると考えています。
和魂洋才の経営で、社員一人ひとりが自己実現できる会社へ。

グループ各社には、長年培ってきた専門知識や得意分野があります。AIが普及する時代だからこそ、人間の持つ知見やお客さまと一緒に課題解決に向けて考える力は、今後さらに重要となるでしょう。
私たちは、お客さまから依頼されたことをこなすだけではなく、「これから何が求められるのか」を真剣に考え、新しい価値を生み出せる会社でありたいと思っています。その中では、会社そのものも変化し続けなければなりません。
特に若い世代には、これまでの常識にとらわれない発想で新しい事業を生み出したり、既存の事業をブラッシュアップしていってほしいと思っています。そのためにも、一人ひとりが学び、自分らしく挑戦できる環境をこれからも整えていきます。
経営とは、長く走り続けるマラソンのようなものです。目先の利益だけを追わずに将来を見据えた土台を築き、次の世代にバトンをつないでいくことが、地域に必要とされる企業であるために欠かせないと考えています。
今後も「和魂洋才の経営」で自社の独自性を追求しながら、同じ志のもとで挑戦し続けられる方と一緒に、これからのデンセングループの未来をつくっていきます。